■フライト・ポジション化工作■  (3) スタンドベースの製作

■多積層によるスタンドベース■

「Ventura」の製作で、この機体のサイズに合うサイズのスタンドベースのストックがなくなったため、急遽作らなければならなくなりました。ベースには電池やスイッチを格納する部分が必要で、従来はもっぱら、ムクの板に卓上フライスで一気にくり抜くか、厚板を糸ノコでくり抜き薄手の天板を貼る、などの方法をとっていますが、やや大げさな工作で、取り敢えずの製作には不向きです。ふと、100円ショップで薄いコルク板(厚さ約3ミリ)を見つけたので、これを使って、素材の風合いを生かしたものを作ってみました。

 
■スタンドベースの概要
モデルの大きさやコルク板の寸法から、平面のサイズは、縦10cm×横7cmとして、またこのサイズから電池は単4の4本並列接続で、2本ずつ左右に分けて格納することにしました。単4電池の直径は約10ミリなので、電池の格納部分は4枚重ね(約12ミリの厚さ)、それに天板1枚で、合計5枚の層(全体の厚さ約15ミリ)となりました。Aはスイッチ、Bが電池格納部分で、Cはスタンド・アームの取付け部分です。
電池格納部Bの寸法の決定に際しては、幅は、電池の取り出しを考えて、電池の太さの合計より左右に1.5ミリほど広くします。また、長さは接点部の厚さ分を加えて決めますが、予定寸法よりわずかに大きくしておき、最終的に接点の取り付け時に現物合わせで接点部の厚さを調節すると良いでしょう。
 
■材料の切り抜き
裏白の厚手のチラシで切り抜く型紙を作り、マジックインキで印をつけて1枚ずつ切り抜きます。コルクはしなりが強いく、また欠けやすいので、先にコーナー部分を平刀状のカッターで切っておき、直線部分は良く切れるカッターナイフを使うときれいに切り抜くことができます。【この切断道具を使うと、コルクのかわりにベニア板を使っても楽に切り抜くことができます。】

  
■組立て
本体となる電池格納部分の4枚を重ねて木工ボンドなどで接着します。下面から4層目(電池ボックスの底側)には、開口部と同じ寸法のベニヤ板に、電池の高さとカーブに合わせた溝を掘ったものを埋め込んで、補強を兼ねて電池格納部の深さの調節をしました。

  
天板は、ここでは3ミリ厚の紙製のボードを使いました。スイッチノブの出る穴を開けて本体に接着(木工ボンド)して、ヤスリで周囲を整形します。また、電池収納部の中央に、先に切り抜いた残り片を使って仕切り(2枚重ね)を設けています。コルク部の表面仕上げは、ふにゃふにゃをなくすため水性の透明ニスを厚く塗布しました。

  
■アーム取付け部の工作
スタンド・アーム取付け基部を設けて、アームがベースに出来るだけしっかりと固定されるようにします。天板に使用したのと同じ紙製のボードを2枚重ねて作りました。
アームを通す穴を開けるのが難しそうなので、穴の部分で分割して、それぞれ棒ヤスリで窪みを作ってから接着しました。窪みは、最初は三角のヤスリでセンターを出して、その後丸いヤスリで仕上げています。
  
上写真のものは「Ventura」に使用したスタンドベースで、前記「紙製のボード」の代りに、1. 2ミリのプラ板を貼ったものです。スタンド・アーム取付け基部は真鍮パイプと黄銅の平板で作ったものを木ネジ留めしました。

■スイッチの取付け
スイッチの取付けは、イージーにホットメルト接着剤を使うことにしました。使用したスライドスイッチはスライド方向両端が開放されているので、マスキングテープを巻き付けて開らいている面を塞いでおきます。スイッチ取付け部の幅に合わせて両端の取付け片を曲げて挿入し、そこにホットメルト接着剤を充填しての固定です。

■電池の接点の取付けと配線
接点金具は銅箔テープを使用しました。銅箔テープ(スコッチ製品)を現物合わせで寸法に切り、ベルポレンという多少弾力性のある低発泡樹脂板(厚さ約1.5ミリ)に貼り付け、スコッチのクッション付き両面テープ(厚さ約0.6ミリ)でスタンドベースに取り付けました。電池の接点部には弾力性が必要なので、銅箔テープのベースにプラ板などを使ったときは、クッションテープを二枚重ねるなどしたほうが良いでしょう。
電池ボックス部の内寸は、材料の切り抜き方などによって電池の長さと合わないことがあるので、両面テープを重ねて接点部の厚さを出すか、ボール紙などを貼り付けて調節します。右は内部の配線(スイッチの取付け補強も兼ねる)に使った0.8ミリ径のスズメッキ線です。
参考:単4乾電池2本を使ったスタンドの概要写真(OV-1 モホーク)
スイッチのノブを右にスライドさせてONとしました。OFF側は取付けの補強のためだけ。
▼スイッチ付近
▲マイナス接点側
左右をスズメッキ線で連結しています。機体からの(−)側をこちらにつなぎます。

■底ぶたの製作
底ぶたの材料は電池の接点で使った「ベンポレン」で、スタンドベースに合わせて印をつけ、カッターでの切り抜き、両面テープでスタンドに固定します。
ゴム足は、板ゴムに両面テープを貼り付け、ホールパンチで抜いたものです。