■工作室(製作49)■  (1)主翼・尾翼の取付け

ロッキード
VENTURA II
アカデミー/ミニクラフト
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キットは、ロッキード「ハドソン」のバラエティーのようです。ミニクラフトの「型」で、胴体・翼部品とも肉薄のシャープな(前回のTa154の後ではとくに感じる)ものですが、対照的にクリア部品は意外に分厚い (よくいえば、糊代が大きく接着し易い) ものでした。デカールは色版のズレが目立ち、また色そのものも素人目にも怪しいものです。

■主翼・尾翼の取付け■
主翼・尾翼とも、取付け部にはダボが付いていますが、位置決め程度のもので、取付け強度は期待出来ません。さいわいキットの構成が、先に翼を胴体に取り付けても、後の工作に支障がないようなので、胴体の結合前に、左右胴体部品に主翼・尾翼を結合して内側から取付け補強の工作をすることにしました。

■垂直尾翼の取付け
双垂直尾翼タイプで、水平尾翼の両端部に付きます。ムクのパーツで質量も大きく、しっかり取り付けないと、ちょっとしたことでとれてしまう恐れがあります。
垂直尾翼は水平尾翼の翼端部と一体成型されていて、そこに水平尾翼との結合のためのダボ穴が開けられています。この穴はかなり深いものですが、ダボ側がほんの申し訳程度の長さしかありません。嵌め合わせによる取付け強度は期待出来ないため、U字形に曲げた1ミリ径の黄銅線でダボを延長して、垂直尾翼のダボ穴にエポキシパテを充填したところへ差し込んで結合しました。

  
■水平尾翼の取付け
胴体と水平尾翼の結合箇所もキットのままの結合では弱いので、こちらも黄銅線を使って取付け強度を高めます。左右の翼を同じ補強線で貫く予定でしたが、翼への正確な導孔を開けることが難しかったため、左右別々に固定してしまいました。
(従って、右写真のように、胴体を貫通させる必要はありませんでした。)
  
黄銅線は1.2ミリ径を2本使いました。胴体のダボ穴の内側に、1.2ミリ厚のプラ板を2枚重ねて取り付け、適当な間隔で補強線用の下穴を開けておきます。次に左右胴体を仮り組みして、所定の位置に垂直尾翼を接着して、完全に硬化したら、仮組を解除し、先の下穴から、翼側にも補強線を通す穴(適度な深さ=翼内1センチ位で十分のようです)を開け、エボキシ接着剤を少し詰めて、黄銅線を挿入し、プラ板の表面と同じ面で切断(ニッパーなどで)します。

■主翼の組立て
キットのエンジン部は、上下主翼部品の結合時にポッド内に組み込む構造ですが、カウリング前部を接着する箇所を多少カッターなどで広げれば後からでも組み込みが可能なので、先に主翼上下部品を結合しました。主脚収納部カバーは、左右一体で部品化されており、地上姿勢では分割して取り付けるようになっているので、飛行姿勢ではそのまま一気に取り付けることができます。

■主翼の取付け
厚翼で接着面積が思ったより大きく、接着だけでも強度は十分なようでしたが、念を入れて、当初の計画通り、黄銅線を通して取付け補強をしておきました。
翼断面の一番厚い部分(最大矢高の位置)にプラ板を重ねてブロックにして接着し、左右胴体部品をマスキングテープで仮に一体化した胴体に、上反角のバランスなどを考慮して主翼と胴体を接着し、接着剤が完全に硬化してから再度分離、胴体内側に補強のプラ板を貼り付け、1.5ミリの黄銅線を通しています。前縁寄りにモーターへの配線用の穴を開けておきました。