■工作室(製作25)■  (1)エンジン部の工作

ノースアメリカン
B-25 ミッチェル

イタレリ 1/72


ノーマルな爆撃機タイプがよかったのですが、1/72では手持ちがこれしかなく、いささかマニアックになりますが、ガンシップタイプとなりました。さて、このクラスの飛行機になると、1/72といってもすこし圧倒されるようなボリュームですが、キットは、部品点数の少ない素直な構成で、適度な肉厚のためくるいもなく、とても組立てやすいものでした(パイロット人形2体付き)。

●エンジン部の工作●

■ダミーエンジンの組立
エンジン部の構成は、星型エンジンの前・後列シリンダーを貼り合わせ、プロペラからの軸を挿入し、エンジンの背面よりストッパーで固定するというオーソドックスなものです。使用モーターは6ミリ径を使うことにしました。後列のエンジン部品にモーター径6ミリの貫通孔を開け、前列は半分位の深さまでモーター径に拡大して、モーター取り付け部としました。開孔は、もとのプロペラ軸穴をガイドに、1ミリステップぐらいで、センターが狂わないように徐々に拡大します。
使っているピンパイスは3.5ミリ径がくわえられる最大です。4ミリモーターを使用のときはタップ用の柄で間に合いますが、6ミリ径のモーターで、5、6ミリの太い径のドリルを使うときは、苦肉の策で、電動ドライバーのチャックをピンパイスがわりに利用しています。当然、ドリル針を固定して、開孔される側を廻すことになりますが、4ミリ又は4.5ミリ径の下穴が開いているので、注意深く行えば、ほぼ正確に開けられるようです。

モーターに、所定の長さに切断調節したプロペラ・ジョイントを取り付けて、エポキシパテでダミーエンジンに固定します。
プロペラ・ジョイントの長さは、モーター側はモーター軸長より0.5〜1ミリほど短め、プロペラ側は2〜2.5ミリ(長くても3ミリ以内)が適当です。モーターをダミーエンジンに挿入し、ジョイント先端がエンジン先端より0.5ミリ弱飛び出る位置で固定します。

■プロペラ軸の交換
スピナーなしのプロペラですが、ハブ部が大きいので軸の交換作業は楽です。
軸には1.2ミリ径のアルミパイプを使いました。
まず、もとの軸を付根から1.5ミリほど残して切断し(注)、切り口の中央部にプラモデル用の接着剤を薄く塗り、ドリルの滑り止め処理を施しておきます。ドリルは0.5ミリ径位から始めて0.2ミリステップ位でセンターや垂直を調整しつつ拡大していきます。うまくゆけば使用する軸径(1.2ミリ)の段階で終了となりますが、センターがずれたり、傾いて開孔された場合は、その程度に応じて、更に大きく開けて、エポキシバテで調整して固定します。 【プロペラ軸の交換】
注: たいていのキットでは、エンジンの先端(ギアボックスの先端)はカウリングの前面とほぼ同じ面にありますが、このキットでは、ギアボックスがすこし偏平で、その先端が奥まった(完成後の実測では約1.6ミリ強)位置にあります。このギャップをプロペラ軸を2段の太さにして補っているようなので、プロペラ軸の交換では、前記のようにもとの軸の太い部分を約1.5ミリほど残しています。(参考までに、このキットがあえてこうしているのは、実機に忠実なのかと思ったのですが、アキュレートの1/48ではカウリング先端とほぼ同じ位置まできていました。)

ダミーエンジンをカウリングに固定し、塗装の終わったプロペラ軸長をまず約3〜4ミリに切断して、プロペラジョイントに挿入します。カウリング先端とのギャップを確認し、カウリングから約1ミリ離れている位になるよう軸を切断調節します。続いて、軽く息を吹きかけて、プロペラがスムーズに空転するようならOKです。最後に、モーターに電池をつないでプロペラを廻してみて、回転面のブレ、回転方向(モーターの極性)などのチェックをしておきます。 【プロペラ翼端のマスキング】

■主脚収納ポッドの工作
各ボッドは左右部品と主脚柱部カバーの3部品からなるシンプルなもので、組立も極めて簡単です。主脚柱部のカバーの取付けには、伸ばしランナーを数本内側に貼り付けて、支えとしました。主翼への取付けは、主翼上下を接合してから行いますが、そのままで、隙間なくぴたりと合いました。

■銃身の金属への交換
機首に4、胴体機首左右に各2、胴体後部左右に各1、機尾に2、胴体上部の回転銃座に2の合計14梃の12.7ミリ機銃が搭載されています。機体から突き出る銃身は、キットのプラスチックのままではもたないので、すべて金属に交換することにしました。
0.8ミリ径の黄銅線を所定の長さに切断し、電動ルーターでくわえて銃口になる側の面取りをし、(後に黒鉄色ででも塗装するつもりですが)下処理として黒染をしておきました。機銃本体(機首は機首パーツの所定の位置)に最終的に0.8ミリ径のドリルで穴をあけて挿入し、瞬間接着剤で固定しました。胴体後部左右側面の機銃は、キットでは窓ガラスに直接接着する構造ですが、取付け強度を増すため内部にプラ板で簡単な銃座らしきものを設けています。