■工作室(製作8)■  (2)エンジン部の工作

■プロペラ・エンジン部の構成
エンジンは、ファイヤーウォールと後部シリンダーが一部品となっており、それに前部シリンダーを接着するという、第2回の「コルセア」(アカデミー)と同じような構造ですが、プロペラは逆に軸付きで、エンジン後部からストッパーで固定するタイプです。エンジンをはウリング側に固定して、最後に胴体と一体化する構造なので、胴体部とエンジン部はそれぞれ独立して工作することが可能です。

●プロペラの工作●
    
●本機のプロペラ軸の直径は2.4ミリと太いので1.5ミリφの黄銅線に交換することにしました。以下はプロペラ軸の交換を正確に行う工作法の紹介です。【詳細は「FP化工作−プロペラ軸の交換」を参照】
(1) プロペラの軸を切断し、表面を平らに整形します。交換する軸径と同じ(1.5ミリφ)のドリルで、正確にプロペラハブのセンターをねらい、かつプロペラ回転面に対して直角に穿孔します。深度は3ミリぐらい必要です。
(2) ドリル針をピンバイスからはずし、穿孔した穴に差し込み、指先でドリル針を回転させて、プロペラの回転状態を観察します。ほぼ正確に穿孔できたので、このまま軸をセットしてもOKのようですが、更に正確性を高めるため、本工作法の眼目の、次の作業に入ります。
(3) 1.5ミリの穴をガイドとして、2ミリφのドリルで軸取付け用の穴を拡大します。深度は、1.5ミリの穴と同じにします。

(4) エポキシパテを少量練って先を尖らし、ドリルであけた穴にしっかりと充填します。
(5) 長め(4〜5センチ位)に切断した1.5ミリφの黄銅線を、プロペラハブの『センター』をねらい挿入します。軸端を指先で左右に回転させてみて、プロペラが正しい軌跡を描いて回転するまで調節します。極端に偏心したら、いちど抜き取り、パテにできた穴を埋め直し、再度挿入します。
(5) OKになったら、以後プロペラには触れないようにして、油粘土などに軸を突き刺し硬化を待ちます。
エポキシパテは、硬化速度が遅いので、じっくり時間をかけて調節することができ、適度に硬いため、このプロペラ程度の重量では、少しぐらい傾いた状態で養生(硬化を待つ)しても、「だれ」て軸の取付け位置がずれることがありません。

●パテが完全に硬化してから、軸を所定の長さに切断し、完成です。

モーターにプロペラジョイントを取付け、プロペラを差し込み、回転テストをします。ブレがないか、回転方向とモーターリード線の色(極性)を確認しておきます。

■モーター取付け部の工作
前シリンダーと後シリンダーパーツを接着し、6ミリφのドリルでプロペラ軸孔をモーター外径まで拡大します。エンジン部の厚さが薄いので、内径6ミリφのストローでモーター挿入部を延長しました。瞬間接着剤で固定し、エポシキ接着剤で接合個所を補強しました。

■モーターの取付け
プロペラジョイントを取り付けたモーターを、モーター取付け部に挿入し、プロペラを取り付けてみて、センターが出ているかを確認し、プロペラが、出来るだけエンジンに近づくように、かつスムーズに廻るように、モーターの取付け位置を調節し、瞬間接着剤で固定します。作業中にモーターのリード線がハンダ付け個所からとれないように、テープで処理しておいたほうが安心です。