■工作室(製作8)■  (1)主翼の工作

グラマン TBM−3
 「アベンジャー」雷撃機

エアーフィックス 1/72


デカールを除いた全てのパーツが、「ポテトチップス」スタイルで、一袋にごそっと放り込まれており、「パーツは、豪快に、ランナーからむしり取るべし」と言う雰囲気。ニッパーで丁寧に切り取っているのが、いかにもケチ臭く感じるような、おおらかなパッケージングです。
部分部分をみるとかなりラフなキットですが、全体的にうまくデフォルメされまとまっているため、仕上がりの感じがとてもよいものです。パイロットや機銃手の人形もついています。また、箱絵は「消滅が待っているも知らず『魔の三角海域』へ進路変更」ふうの、メランコリーな感じのなかなか味があるイラストです。

アンテナ支柱、ピトー管等
キットのパーツ形状に合わせて金属で複製します。アンテナ支柱は0.4ミリφの黄銅線を曲げてハンダで肉盛り、ピトー管と主翼端下面のT字形のアンテナは、外径1.2−内径0.8ミリの真鍮パイプの一端をつぶして、0.6ミリφの黄銅線をハンダ付けしました。T字形のアンテナは、八木アンテナのようですが、キットの通りのデフォルメとしました。

■機銃の銃身
機銃の銃身も折れやすいので0.6ミリφの黄銅線に交換しました。0.6ミリのドリル針をピンバイスに取付け穿孔し、黄銅線を挿入します。写真下側のリングが付いている機銃が、上部回転銃座用ですが、写真でお気付きのとおり、誤って銃身を下部銃座用と取り違えてセットしてしまいました。(外径0.8−内径0.4ミリの真鍮パイプを0.6ミリのドリルで内径0.6に広げたもので延長して修正)

●主翼の工作●
本機は、翼端灯などの電飾は施さないことにして、また単発機でもあるため、モーターへの配線も主翼には無関係なので、主翼は単体としてストレートに組み立ててもOKです。「先ずは主翼をかたずけよう」ということで、主脚引っ込み部に注意しつつ、鼻唄まじりの作業。上下パーツの接着も終わり、順調に主翼下地の完成と思ったとき、好事魔多し、左翼下面にポコっと穴が……。着陸灯の透明パーツの付け忘れでした。これは後の課題として、このまま続行することにしました。

主脚引っ込み部の工作
主脚柱カバーをテープで主翼下面の当該位置に仮止めします。かなり隙間ができますから、一致した部分は通常のプラモデル用接着剤で固定し、隙間には、エポキシ接着剤を流し込みました。車輪引っ込み部が単に穴があいてるだけなので、薄いプラ板を細長く切り出し、しごいてカールさせて接着し、立体的にしました。(完成後は、ほとんど見えませんから不必要な作業だった気がします。)
主脚柱と主輪はそのまま組み立てると、地上姿勢の場合は問題がありませんが、飛行姿勢=主脚格納時には、主輪がかなり奥まって格納されてしまうので、主脚柱を削って主輪の固定位置を調節しました。.

■主輪の取付け
主輪を主脚柱に接着し、主脚引っ込み部の開口部分にあわせて主脚柱を切断します。写真のとおり、だいたいオレオ上端ぐらいが適当なようです。固定は、エポキシパテを使用しました。丸めて多少偏平にしたエポキシパテを主輪裏側のハブ部に付けて、押しつけるようにして取付け位置(深さ)を調節しています。
(直上写真の右側は、組込み忘れた着陸灯のパーツ) 着陸灯は、穴をエポキシパテで埋めて表面をゆるい凹面に整形、銀色に塗装、プロユース「クリア」をへこみに流してガラスの雰囲気と目論んだのですが、むしろ(翼下面でしかも小さい個所ということもあり)平らに埋めて銀色で誤魔化したほうが良かった、という結果でした。

■翼端下面アンテナの取付け
金属に交換した翼端下面のアンテナは、取付け強度を高めるため、主翼下面より゙1.2ミリφのドリルを用いて上面にもガイド孔を設けました。貫通しないように注意しながらゆっくりと穿孔し、表面がすこし白濁したら停止し、瞬間接着剤を使って固定しました。