■工作室(製作47)■  (2)完成まで

■降着装置部の処理
ランディング・ギアをUPの状態にするため脚扉を閉じてしまいます。ノーズギア(前輪)の扉は、キットの扉を使い、メインギアの扉は、プラ板を重ねて所定の位置に貼って整形しました。

■スタンド・アームの取付け
スタンド・アームは、その延長線がほぼ「実機の重心」を貫くようにすると安定感があります。胴体下面にその見当でアームを取り付ける位置をさだめ、下穴を開けます。
アクシデント(1): 全くの不注意によるアクシデントで、胴体下面と右主翼取付け部に大きなダメージ受けてしまいました。幸い左右胴体を仮止めした状態での出来事で、なんとかこのまま胴体の結合は可能なようです。取り敢えず左右の胴体を結合してから修復作業を行うことにしました。【参考: 修復作業の様子】
機体側はアームをダイレクトに取り付ける予定でしたが、アクシデントによる損傷箇所の修理のし易さを考えて、短い状態で機体に付いているように、分割式に作り替えざるを得ませんでした。
左写真下が分割タイプとしたもの。3ミリ径のアームを受ける4ミリ径(内径3ミリ)の真鍮パイプを機体への固定板に取り付けています。写真上が当初使用予定のワンピースタイプ。

 
■左右胴体部品の結合
所定の位置にスタンド・アームを取り付け、左右胴体部品を結合します。円柱状で肉厚のボディーなので、輪ゴムで楽に保持することができました。

■塗装について
キットの指定塗装はJTA(日本トランスオーシャン航空)のもので、塗色は白色、ガルグレーとエアクラフト・グクレーです。塗装の箇所は胴体下面と主翼上下面で、その他はデカールを貼るようになっていますが、マークにかかるデカールのガルグレー(機首部のロゴと垂直尾翼の下際)が、印刷時の色指定を間違ったのか色相がかなり違うため、塗装とすることにしました。
胴体下面機首から機尾へのガルグレーの帯のマスキングが、ベースホワイトを塗っていることもあり、見取りだけでの貼り付けは難しそうなので、取説の図面を等倍に拡大コピーして、それをもとに、テープ等を使って位置決めをしました。
帯の幅を、図面と胴体のパネルライン等を参考にマスキングテープに写してゲージとし、テープの中央にボールペンでセンター合わせのためのラインを引いておきました。このゲージでおおよその帯の位置を決めますが、胴体はセンターが判りにくくなっているので、対比する色の糸で機体のセンターを出して、ゲージのセンターラインと合わせながらテープを貼り付けています。
 
ゲージのテープを頼りに、ストリップ状にしたテープで塗装面の形状を出します。納得できるまで貼り直しながら調節し、OKになったら、このゲージの周囲をマスキングしてゲージのテープを剥がすと、ほぼ正確な(気がする)塗装面のマスキングができます。
 

 
白色の部分を全てマスキングして、ガルグレーを塗り、更にマスキングをしてエアクラフト・グクレー部分を塗り重ねました。垂直尾翼の赤い模様も、デカールの使用を止めたため塗装となりますが、ここはいったんガルグレーを塗ってから、マスキングして、再度白色を下塗りして赤を塗っています。デカールのJTAマークは文字の部分だけ切り抜きました。

アクシデント(2): 塗装が終わって、モーターの回転テストを行ったところ、うんともすんとも云いません。テスターで機体側の導通試験(注)をしましたが針が全く振れないため、「アクシデント(1)」の補修作業中に、コードに無理な力が加わって断線してしまったものと思われます。折角最終段階に来たのに開腹修理をしなければならない羽目に陥ってしまいました。【参考: 開腹修理の様子】
【注: コードが正常にモーターにつながっていると、テスターの針はモーターの巻線の抵抗値を示しますが、コードが断線しているかモーターにつながっていないと針は全く振れません。なお、短絡(ショート)していると針は振り切れて抵抗0となります。】

 
完成したYS−11
トランスオーシャン航空