■工作室(製作54)■  (2)完成まで

■水平尾翼の取付け
水平尾翼のカンザシ(ガイドの突起)に、胴体への挿入時に、はみ出さない程度に接着剤を塗り、内側からたっぷりと接着剤を塗布してガッチリと接着します。

■ピトー管の金属への交換
ピトー管は引っかけて壊しやすいので、キットのパーツを参考に、1.2ミリの真鍮パイプに0.8ミリの黄銅線をハンダ付けして作り替えます。
主翼は素材が意外に薄く、翼下面の穴に挿入するだけでは、取付け強度が足りません。また表面が羽布張り状になっていて、ピトー管を翼上面まで貫通させると折角の表面が駄目になるので、0..6ミリの黄銅線をL字型に曲げて、一端をピトー管の真鍮パイプの穴に通し、翼下面部品の裏側に、瞬間接着剤で接着し、取付け強度を高めました。この後、主翼上下面を接合します。

■主脚の補強と取付け
主脚そのものはかなり頑丈な作りですが、取付け部は脆弱です。後の作業でこの主脚に負荷がかかるので、1.2ミリ径の黄銅線を主脚内に通し、接着剤とともにエポキシパテで、胴体への取付け補強をしました。
主脚には、支柱や小翼が取り付けられますが、最終工程に近く、そしてかなり負荷のかかる作業となるため、主脚はしっかりと機体に固定されている必要があります。

●タイヤについて
第一次大戦時の複葉戦闘機のタイヤのように幅が極端に薄く、箱絵のイメージとはかけ離れています。機体全体とのバランスも悪いので、スパッツに合わせて幅広にしてみました。
タイヤのスパッツ内にあたる部分は、外観上はなくてもよいので、半分に切断して貼り合わせ、幅広に加工する事にしました。 紙ヤスリを平らな板などの上に両面テープで貼って、それにこすりつけるようにして、均等に平らに、時折左右を合わせて全体の幅を確認しつつ、削っていきます。合わせ目のタイヤの外周にあたるところが谷になってしまうので、パテ(アルテコを使用)を盛って整形しました。当然厚みも足りませんが、工作が面倒なので、こちらは塗装で誤魔化しました。

■主翼支柱の取付け
キットの支柱は「へなへな」でどうしようもないので、支柱裏面(胴体に面する側)に、前方に0.6ミリ、後方に0.4ミリ径の黄銅線を埋め込みました。
補強線の接着は瞬間接着剤を用いています。 主翼への取り付けは、補強線を主翼の厚さに合わせて短く切断して、補強線には頼らず、プラスチックどうしの接合力だけに任せる事にしました。

■スタンド・アームの取付け
スタンド・アームは、前後席の間の空間に取り付けました。前後席のバルクヘッド(仕切り)を、プラ板で連結して補強しています。
スタンド・アームの固定は、片側胴体部品だけにエポキシパテで行いました。左右胴体を仮組みして、アームが左右に対して垂直になるよう調節してパテの硬化を待ちます。

■コードのセット
前後席のバルクヘッドを連結した板に穴を開け、コードをスタンド・アームからカウリング取付け部まで通します。前席バルクヘッドの下側にコードを通すのに都合の良い切り欠きがあったのでそこを通過させました。この作業は左右胴体の接合前に行ったほうが良いようです。

■キャノピーの取付け
搭乗員を乗せ、機銃を搭載してキャノピー(風防)を取り付けます。中央部には主翼が付くのでハンブロールのボリ容器入りの接着剤(PRECISION POLY CEMENT)でガッチリと接着し、その他の部分は流し込みタイプを使用しました。窓枠は簡単な「シールによる窓枠」です。キットの窓枠に合わせて切ったつもりでしたが、いささか太めになってしまいました。

完成したライサンダー

●塗装について: コクピット内の塗色は、キットの指定の色がよく判らなかったので、Mrカラーの機体内部色を塗って誤魔化しました。機体の塗装は、箱絵と取説が異なっていて、雰囲気もかなり違います。箱絵の方がリアルな感じなので、箱絵から読めるところはこちらを参考にして、その他の部分は英軍のそれらしき塗装としました。