■工作室(製作38)■  (1)エンジン部の工作

紫電改
ハセガワ 1/48

かなり古いキットで、バーツ点数も少ないものですが、外から見える部分は比較的ていねいに再現されています。1/48としては多少物足りなさも感じますが、フライト・ポジションにはこのようなキットが向いているように思います。

●エンジン部の工作●
■エンジン部の構成
エンジンは前列シリンダーとプッシュロッド、ギアケースを模したものから成り、プロペラの軸穴にギアケース先端から突出するプロペラ軸を挿入し、リング状のストッパーで固定するというもので、プロペラは回転式です。本機には6ミリモーターを使用しました。

   
■エンジン部の組立て
まずは、エンジン本体の組立てです。シリンダーにプッシュロッドとギアケースを接着するだけという、極めて簡単なものですが、プッシュロッド先端の接着は、少ししならせないと肝心のシリンダーヘッドに密着しないので、瞬間接着剤を使いました。続いてモーター取付けのための加工です。ギアケース先端のプロペラ軸を根元から切除して、その中央にプロペラ軸が通過する穴を開けます。最初に0.7ミリ径ぐらいの細いドリルでセンターを狙ってエンジンを貫通する下穴を開け、その穴をガイドに、3ミリ径まで貫通孔を拡大して、ギアケース側のプロペラ軸穴としました。
今度はモーター取付け穴の穿孔です。エンジン裏側から先程のプロペラ軸穴をモーター径に合った大きさまで拡大します。0.5ミリステップで6ミリまで拡大しました。

■プロペラ軸の取付け
ギアケースから出ている軸を使って、プロペラのもとの軸穴をふさぎます。新たな軸穴は、もとの軸穴と同様に貫通孔として、ドリルの0.5ミリ径ぐらいから始めて、最終的に軸径の1.2ミリまでセンターをとりつつ拡大します。軸はモーター側に約3ミリ突出させ、スピナー側は長いままにして塗装時の保持部と後のスピナー取付け用とします。【参照:プロペラ軸の取付け】

■エンジンとカウリングの取付けについて■
キットのエンジン部品とカウリングの取付け方は、先にエンジンを胴体先端中央の突起に固定し、その上から被せるようにカウリングを同胴体先端に固定するというもので、エンジンとカウリングは別々に胴体先端に固定されます。この製作では、エンジン部をワンタッチで着脱できるよう、エンジンとカウリングを一体化してしまい、両面テープで胴体に固定するようにしました。
■モーターの取付け
エンジン部品の背面にある胴体への結合部(リング状突起)を付け根から切り離します(エッチングソーをエンジン背面に沿わせて、ゆっくりと少しずつこするように動かすときれいに切ることができます)。塗装が終わったエンジンに、モーターを挿入し、位置決めをして、エポキシパテをエンジン部品とモーターの隙間に埋め込み固定します。

■エンジンとカウリングの一体化
エンジンとカウリングは全く接触点がないので、胴体のエンジンとカウリングの取付部を基準にしました。まず、先程切り取ったエンジン部品背面のリング状の切片の両側にプラ板(1.2ミリ厚)で耳をつけます。この耳の取付けでは、胴体側が同一平面になるように平らな板の上などに置いて接着剤の硬化を待ちます。耳部を胴体に仮付し、カウリングをセットして位置決めをして、カウリングの後縁にこの左右の耳が納まるような切り欠き部を設けます。
耳が付いたリングをエンジンの元の位置に接着しなおし、要所を補強してエンジンとガッチリ一体化します。カウリングのストッパーとして、エンジン背面から耳までの高さと等しい幅のプラ板(1.2ミリを使用)を、カウリングの切り欠き部に合わせて接着します。カウリングを上下方向から圧迫して、エンジンの耳の張り出し方向に膨らませ、エンジン部を押し込むとに、カチッと結合されます。この後、耳をカウリングに合わせて整形してエンジン部の完成です。

■モーターへの配線
いざ配線しようと取りかかったのですが、現状ではコードの取り廻しに少し難があったので、エンジン背面のリングの下側と、胴体を一部切除しました(上記「エンジンとカウリングの一体化」のところで気づいてやっておくべきでした)。プラスの電圧をかける側にダイオードを取り付けて、電源からのコードと結線します。【参照:簡単に電源電圧を下げる】
■プロペラの取付け調整
プロペラ軸のスピナー側の長さを調節して、エポキシパテでプロペラをセットします。パテの硬化後、機体に取り付けて、回転スムーズに回転するよう調節します。【参照:スピナーの取付け】