■工作室(製作35)■  (1)エンジン部の工作

E-2CJ ホークアイ
フジミ 1/72


 
1/72といってもこのタイプの飛行機はかなり大ぶりで、内部スペースも充分なので、本機の特徴である、背負った大きなレーダードームも回転させようと手掛けてみました。キットそのものはパーツ構成がシンプルで組立てはとても簡単そうです。
 

●エンジン部の工作●
■エンジンポッドの組立て
本機のような構造なら、通常はエンジンポッドの片一方の部品にモーターを取り付けてしまうのですが、今回は、モーターを最後の工程で取付けることにして、先に左右のエンジンポッド部品を接合しました。まず、主脚収納部扉をそれぞれ所定の「閉」の位置に接着します。キットは「開」がノーマルな状態なので、ボディーと扉の間にかなり隙間ができるため、接着剤の硬化後、エポキシパテを内側から隙間を埋めるようになすり付けておきます(外側にはみ出したぶんはあとで整形)。

■モーターマウントの取付け
モーターは、スペース的には6ミリでも搭載可能ですが、余裕をみて4ミリモーターを使用します。モーター格納部の上側に、整備用のカバーを表現したと思われる筋彫りがあるので、これに沿ってモーター取付け部の開口をして、モーターは完成後に取り付けることにしました。内部をプラ板で間仕切りして、ストローのマウントをダミーモーターを使ってセンターをとり、エポキシパテで固定しています。

■モーターの取付け
モーターの取付けは塗装後に行いました。モーターマウントは、折角このように開口しているので、もう少し工夫すべきでした。上部のカバーは、今後気分次第で修正することも考え、接着せずに、両面テープで留めておくだけにしました。
 
モーターは、従来通り合成ゴム系の接着剤を使用してマウント内で固定する予定でしたが、モーターの端子へのハンダ付けに手間取ってしまい、内部に吸入されハンダでコードがゴチゴチになったことで、コードの硬さだけでもモーターを所定の位置に保持出来そうなので、エポキシパテでモーター尾部のコードを固めるだけにしました。結果は問題なさそうです。

■プロペラの工作
このキットのプロペラの固定は、機体側からの軸をプロペラ側の軸穴に挿入するもので、空転するタイプです。幅広のプロペラブレードが大きなピッチで成型されたかなりごついもので、ターボプロップ機特有の迫力ある回転が楽しめそうです。

このキットのプロペラハブ部が、強度を重視したためか、前方に張り出した形状になっています。また軸穴径もジョイント外径より大きいので、これを利用して、プロペラ軸はもとの軸穴内に設けてみました。工作が多少面倒ですが、プロペラ回転面とモーター軸が近づくと、モーターやジョイントへの負荷が少なくなります。
●プロペラ軸の取付け
使用する軸は1ミリ径です。まずプロペラ軸穴を、キットの軸の先端をエッチングソーで切り取ったもので埋めて、3.5ミリ位の深さにします(ハブ部の厚みが約5.5ミリあるので、軸取付部の厚みは約2ミリ)。切り取る厚みの設定は、軸穴に軸を挿入して現在の軸穴の深さに印をつけ、そこから3.5ミリ(「ノコしろ」分も考慮)を引いた残りとします。埋めた軸の接着剤が硬化したら、先端側より軸取付けの孔を開けます。(参照:「プロペラ軸の取付け」) 開孔したら、先端側より1ミリ径の軸を挿入して、ジョイント側の先端がもとの軸穴のセンターにあることを確認し、プロペラ底面とほぼ同じ面になる位置で瞬間接着剤で固定します。センター調節のために孔の径が大きくなった場合は、少量のエポキシパテを先端側に盛って固定します。

■主翼の組立て
主翼上下部品は左右一体の長大なものです。一気に上下を接着結合するのは、接着剤の乾きの点で、忙しい作業となるので、下側を中心で二分し、左右別々に組立てることにしました。
主翼上下部品の結合前の下準備として、主翼下面部品に、左右のエンジンポッドの取付け位置と中央部に、モータへの配線コードを通す穴を開け、主翼上面部品に主翼の上反角を保持させるための金具(2ミリ径黄銅線を適当な角度に曲げたものを)を接着しておきます。なお、写真で主翼上面部品裏側に見えるプラ板は、レドーム基部の脚を取付けるための補強です。