■工作室(製作32)■  (1)エンジン部の工作

P-51D ムスタング
ハセガワ 1/48


「工作室」30回の零戦に続いて、プラモデル飛行機のスタンダードナンバー「ムスタング」です。今回も翼端灯と尾灯を点灯してみようと思います。このキットは比較的新しいもののようで、先の「零戦」とは異なり、まったく飛行姿勢は眼中にないようで、またパイロット人形も付いていませんでした。

●エンジン部の工作●
液冷式エンジンのモデルなので、内部に広い空間があるモーター取付け部です。
6ミリモーターをストローのモーターマウントを設けて取付け、プロペラ軸は1.2ミリのアルミパイプを用いました。

■排気管部の工作
排気管は、胴体内側から挿入する構造ですが、塗装後に組み込んだほうがシャープに仕上がると思うので、排気管の穴は薄いプラ板でふさぎ、また排気管部品もそれに合わせて底部をニッパーとヤスリで削りとり、外側から挿入できるようにしました。

■モーターの取付け
このキットのプロペラは、胴体からプロペラ軸が出ていて空転するタイプですが、なんとも面倒なプロペラ固定の方法をとっています。プロペラ軸は、先端と中ほどに円盤状の張出部を設た特異な形状をしていて、軸にスピナー基部を挿入し、プロペラブレードを取り付けると、軸の円盤状の張出部の間にプロペラブレードの基部が入り込むかたちとなり、プロペラが軸から抜けなくなるというものです。
作業は、まずこのプロペラ軸を切除して、かわりにモーターからの軸穴を開けることから始まります。マウントにするストローをモーターボディーの長さ程度に切断し、周囲をサンドペーパーで少し荒らしてから、側面にスリットを入れて、モーターが容易に挿入できるようします。ストローにダミーモーターを挿入し、所定の位置にエポキシパテでセンターを調整しつつ固定します。ここではプラ板で上げ底にして、エポキシパテの使用量を節約しています。
プロペラ軸切除後の軸穴の開口について: 上記工程では、最初からプロペラ・ジョイントが通過できるように大きな穴をあけてから、モーターマウントを取り付けていますが、この方法は、モーター軸を機軸(とくに胴体の側面からみたセンターライン)に合わせにくくなるという点で、よくありませんでした。ダミーモーターを使う場合は、ダミーモーターの軸とほぼ同径の穴を、切り取った軸のあとにあけて、その穴を基準にモーターマウントを取り付け、マウントの固定が終わってから、正規の軸穴に拡大するようにしたほうがベターだったと思います。

■プロペラ軸の取付け
スピナー基部の裏側から、1.2ミリ厚のプラ板から切り抜いたプロペラ軸の取付け板(左写真A=10ミリ径のポンチで打ち抜いたものがちょうどの大きさでした。)を接着し、表側から切り取ったもとの軸の平らな面を軸穴からAに接着します。接着剤の硬化後、元の軸の切り口部を切除してから、軸穴をあけて、軸を取り付けます。 参考:軸穴の開け方
このキットは、プロペラ部の取付け構造が妙に凝っているので、軸の取付け部の工作が変則的なものになってしまいました。軸穴をあけるためのセンターは、このような広いところでは目測というわけにはいかないので、マスキングテープにコンパスで10ミリ径の円を描いて切り抜き、プロペラ軸取付け板(A)を取り付けた周囲の円をガイドにして、その中央に貼り付け、コンパスの針穴をセンターとして、軸穴をあけました。写真では、軸はスピナー先端側まで突き抜けていますが、これは次に記すスピナー先端部の固定のためのものです。スピナー先端部を基部に直接接着してしまうなら4ミリ程度の深さで充分です。1.2ミリ径の軸を使ったので、ドリル針は5〜7〜10〜12ミリ径を使い、センターを調節しながら穿孔したところ、なんとか一発でOKでした。軸の固定は瞬間接着剤を用いました。

●プロペラ基部が弱そうだったので、黄銅線をインサートして補強しました。
インサートの黄銅線は0.8ミリ径を使いましたが、太いし、重すぎるので、0.6ミリ径にしたほうが良かったようです。スピナー先端は内側にエポキシパテを少し充填してプロペラ軸の先端を差し込んで留めています。 【スピナー取付けの一方法】
インサートの黄銅線を0.8ミリにしたため、プロペラの重量が増して、同じ1/48の零戦の倍位の1.8グラム近くになってしまったので、少しでも軽くと、ベースの部分の肉抜きをしました(肉抜き後は1.4グラム程度)。

  
■モーターの取付け
モーターにプロペラ・ジョイントを取り付け、プロペラ側を3〜4ミリに切断します。モーターの固定は、ジョイントの先端が、胴体とスピナーの間に0.5ミリほどの隙間を設けて、更に.スピナー裏側の凹みの奥にとどくぐらいまで突出する位置に、合成ゴム系接着剤で、モーター軸への付着に留意しつつ、しっかりとおこないます。