■工作室(製作29)■ (1)エンジン部の工作

ショート・スカイバン
エアーフィックス
1/72

特異な形状の輸送機のキットで、 デカールとパイロット人形は民間・軍用の2種類が入っています。民間機とする予定で、派手に電飾付きのものにしようとあれこれ考えていたのですが、見せどころになるはずの着陸灯(主翼の左右の支柱の翼側付け根にある)があまりにも小さく、加工が面倒なうえに効果的になりそうにないので、今回も残念ながら電飾なしでいくことにしました。胴体部が薄い平面的部材の箱組構造で、組み立てに難渋しそうです。パーツが、1つの袋にザクザクとおおらかに入っていたので、写真は省略しました。

●エンジン部の工作●

■キットのエンジン部の構成
モーターを組込むエンジンポッドは、1/72といっても、コンパクトなターボプロップエンジン搭載ということで、とても小さく、またプロペラも小径なので、余裕をみて4ミリモーターを使います(6ミリ径でも可能なようです)。ポッド幅は4ミリモーターには充分すぎるゆとりがありますが、前後がすこしきついため、プロペラはモーター軸に直接取り付けることにしました。
排気管は、左右ポッドの接合時に組み込む構造ですが、スペースの関係で排気管取付部を切除する必要があり、また、ポットと排気管の塗り分けを楽にするため、全ての塗装が終わったあとで、取り付けることにしました。

■モーターマウントの取付け
モーターはカウリング部(ポッド前部部品)に取付けます。各ポッド主部の左右部品を接合し、モーター尾部を挿入する穴を正面に開口しました。カウリング部は、モーター軸にプロペラをダイレクトに取り付けるため、モーターの軸長を勘案して(使った4ミリモーターは、軸長が短いタイプなので)、プロペラ軸穴を使用モーターの軸受部に合わせて拡大し、モーターがいくらかでも前にセットできるようにしました。排気管は、内部後ろ寄りにプラ板で支え部を設けておき、塗装後に取り付けます。
モーターの取付けは、ストローのマウントを介しました。ダミーモーターを使い、カウリング部にストロー.をエポキシパテで固定しています。なお、ポッド先端の開口部は、カウリング部との嵌め合わせの凸部を生かしたため(上写真中左)、マウント固定のエポキシパテは、その凸部に合わせて凹状に整形しました。
注: 今回の工作では、モーター用の開口部はキットの凸部を生かしていますが、凸部がなくなるまで開口部をもっと大きくして、周囲の面だけでカウリング部と結合させた方が、加工が楽だったようです。
モーターのマウントへの接着は、合成ゴム系接着剤を用いました。モーター軸へ付着しないように、モーターボディーの軸側を2ミリ程度あけて後ろ側の周囲へ接着剤を塗り、マウントへ押し込んで、軸の出具合(方向・突出量)などを調整して、硬化を待ちます。
リード線の取付け(ハンダ付け)は、モーターをマウントに接着して、ポッド主部と結合する直前に行います。

■プロペラの軸穴加工
プロペラのハブ部がとても小さく、そのままモーター軸穴を開けるのは難しく、強度にも問題があるので、スピナーと一体化した後に行いました。プロペラハブの周囲にエポキシパテを盛り、スピナーに差し込んで整形しています。
写真下右はモーター軸穴を開け終わったところ。右側が所定(0.7ミリ径)の穴で、すこし偏心していますが、この程度なら回転時にもそう目立たないと判断してOKとしました。左側は位置のずれを修正していたら一回り大きくなってしまったものですが、モーター軸との結合時に、接着剤の加減でなんとかなりそうです。--「プロペラ軸穴の開け方」参照。失敗して、著しく偏心してしまった場合は、更に二回りほど穴を大きくしておいて、完成後、エポキシパテでセンターを合わせながらモーター軸と結合します。

■エンジンポッドの主翼への取付け
主翼下面部品のポッド取付部にモーターからのリード線を通す穴を開けて、また、主翼と胴体の結合部(カンザシ部)をリード線が通過できるように棒ヤスリ等で削っておきます。
従来は、先に主翼上下面を接合していましたが、このモデルは翼内部のスペースがほとんどないので、後からリード線を通すことは困難です。そこで単なる手順の変更というような軽い気持で、ポッド取付け部のガイドに従っただけで、先に主翼下面部品にナセルを接着したところ、上面部品との結合の段階で、上面のフィレット部とかなりのズレが出て、結局パテ盛りでごまかし修正をするはめになってしまいました。ナセル取付部のガイドの位置だけを頼りにせず、主翼上面を仮組みして行うべきでした。