■工作室(製作18)■  (1)エンジン部の工作

ホーカー・
シーフューリー
T−20

PM Model 1/72

イギリス海軍の「ホーカーシーフューリー」戦闘爆撃機の練習機タイプです。「C−45(『製作15』)」と同じPM Modelのもので、表面が梨子地仕上げ(どうしてなのか意味不明)され、全体的にぼってりとした、シャープなところがみじんもないキットで、とくにキャノピーは全面防弾ガラスのようです。しかし「フライト・ポジション」モデルとしては、機体のイメージさえつかめていれば、細かいことはいわないというポリシーなので、作りやすいところが取り柄と、評したいです。大馬力エンジンならではの5翅プロペラの回転に期待がもてます。


●エンジン部の工作●
■エンジン部の構成
カウリング裏側からのプロペラどめ部品に固定する空転タイプです。エンジンパーツがなく、カウリングに直接取付けるシンプルな構造です。
プロペラブレードが、のっぺりと板状で、まるで神主などが持つ笏(しゃく)のようですが、とても丈夫そうです。
モーターは6ミリモーターを使用することにしました。従来どおりストローによるモーターマウント方式をとりますが、マウントを取り付けるカウリングが奥深く、簡単に、かつ正確にモーターを取り付けるには、今までとはまた違った方法が必要なようです。

■プロペラ軸の取付け
プロペラ軸穴は1.5ミリΦでしたが、1.2ミリΦの軸(アルミパイプ)を使用しました。軸の固定はエポキシパテです。ハブ部がプロペラの直径に比べてやや薄いので、スピナー側に少しパテ盛りをして厚みを出したほうがよさそうです。上写真ではてんこ盛りしてありますが、余った分をいたずら半分でやったもので、1ミリぐらいの厚さで充分でしょう。

■モーターマウントの取付
プラ板でベースを作って……などと考えたのですが、簡単にということで、モーターマウントの周囲にエポキシ接着剤を流し込んで固定することにしました。
まず、モーターマウントの位置決めのため、ダミーモーターに挿入したマウントの先端部に粘土を巻き付け、カウリング前部に充填します。これは、エポキシの先端部からの流出防止と、マウントを保持するのは中央部だけでも充分な強度が得られそうなので上げ底をも兼ねています。エポシキの充填量は4ミリ厚程もあれば良いかということで、2回に分けて、量を加減しながら充填しました。エポキシの硬化まで、センターがずれないように静かに養生します。
モーター径に合わせるため、ストローの脇にスリット(切れ目)をいれているので、その部分でエポキシ接着剤がダミーモーターに癒着します。離型用のシリコンスプレーでも塗布していればよかったのですが、手間を惜しんで省略したところ、当然癒着しており、力任せにダミーモーターを引き抜いたら、部分的に欠けてしまいました。瞬間接着剤で修復しましたが、硬化促進剤を吹きかけたら、量が出すぎて、表面が粉をふいたようになっています。

■モーターの取付
プロペラ軸を3ミリ程度に切断し、それに合わせてプロペラジョイントの長さを調節します。左下の写真では、ジョイントのプロペラ側をもう少し(0.5ミリぐらい)短くする必要がありそうです。カウリングのジョインの出る穴を3.5ミリに拡大し、ジョイントが、ほぼセンターにくることを確認して、瞬間接着剤でモーターを固定します。
本機の場合、スピナー後端がプロペラハブ部より若干が出っ張るので、ジョイント先端はその分だけカウリングより突出するように、モーター挿入深度を調節します。だいたいの深さの見当をつけ、モーター側面に瞬間接着剤を塗り、マウントに挿入して固定します。
瞬間接着剤は、硬化速度の遅いゼリー状のものを使って、所定の位置にくるようにていねいに調節し、硬化促進スプレーをって一気に硬化させるのが良いようです。