■工作室(製作17)■  (1)エンジン部・胴体の工作

パイパー PA-18
スーパーカブ

アカデミー 1/48

今回使用したキットは、ミニクラフト「パイパー・スーパーカブ」のアカデミー版です。ミニクラフト製のものと比べたら、デカールを除いて 本体は同じものでした。スーパーカブは全面黄色というイメージが強く、陸上自衛隊タイプ(L-21)にしたいと思っていたところ、そのデカールを入手できたので、早速製作に取りかかりました。

使用したデカールは「ホビーセンターえんどう」の「FLYINGPAPAS」シリーズのものです。カルトグラフ?の透明デカールをベースに熱転写プリンで作成されたもので、丁寧な三面図も付属しており、自分で作る手間(資料集めや版下作成)を考えたらとても有難い存在です。ただし、キット付属のデカール(シルクやオフセット印刷)とは全く異なるもので、とてもデリケートなことを理解して使う必要があります。

●エンジン部の工作●
エンジン部品(実機はライカミング・水平対向4気筒)が付いていますが、1/48のモデルとはいえ150HP程度の軽飛行機用エンジンは、あまりにも小さく、モーターの組み込みが不可能でした。星型エンジンと異なり、完成後はほとんど見えなくなるため、エンジン部品は使わないことにして、プラ板でモーター取り付け部を新たに設けました。

エンジン部で使用するのは、外側(カウリング)のパーツだけです。上写真では防火壁(ファイヤーウォール)も写っていますが、使いませんでした。モーターは4ミリ、モーターマウントはストロー、そしてそれを固定する基台を内部容積に合わせて1.2ミリのプラ板で作りました。プロペラ軸は、1.2ミリ径のアルミパイプを使用しています。基台の左右に張り出した耳状のものは、カウリング正面の冷却用空気取入口からわずかに見えるシリンダーのつもりです。
モーター取り付けの基台にストローを接着(エポキシ接着剤使用)、カウリング内側に、位置を調節しプラスチック用接着剤で固定、という手順をとりました。ダミーモーターを使用し、正面・真横・真上からみて、軸がセンターに位置していることを確認しながら、接着剤の硬化を待ちます。念のため、接着剤が硬化するまで粘土で支えておくと、位置のずれがなく安心です。
プロペラジョイントを、モーター軸長に合わせて切断し、モーター軸に取り付け、プロペラ側の長さを2.5ミリほどに切断します。モーターを、マウントに挿入(プロペラ・ジョイントの先端がカウリングの先端の位置ぐらいまで)し、軸長を3ミリほどに切断したプロペラを取り付けてみて、正しい位置にあることを確認し、ごく少量の瞬間接着剤で仮り止めします。正面から息を吹きかけてみて、軽く空転するならOKで、本格的に瞬間接着剤で固定します。瞬間接着剤での取り付けはかなり慌ただしい作業になるので、丁寧に調節したい方は、エポキシパテを使ったほうが良いと思います。

●胴体の工作●
■スタンド
スタンドアームは前回の「96艦戦」と同じ3分割のものを使用しました。スタンドベースは多発機に使う予定の単4×3本用だったのですが、中央にスペーサーを入れて2本用にして使用しました。

■水平尾翼の取付
水平尾翼の取付部は、このままでは弱いので、金属に交換しました。0.6ミリΦの黄銅線を瞬間接着剤で固定し、濃い目の液状パテで整形しています。
水平・垂直尾翼の支持索は、0.4ミリΦの黄銅線を使い、実機の張り線の働きと同じで取り付け強度を高めています。

■胴体の組立
左右の胴体を一体化し、胴体中央部にスタンドアーム取り付け用の穴をあけ、接着剤の硬化後、コクピット内を塗装し、機体側のスタンドアーム受金具を取り付けます。
スタンドアーム受金具は、0.2ミリ厚の銅板に、スタンドアームを受ける4ミリΦの真鍮パイプをハンダ付けしたものです。銅板が薄いため柔軟性があり、接着箇所の形状になじませやすくなっています。瞬間接着剤で胴体に固定したあと、エポキシ接着剤で表面をコートしておくと、実用的な剛性が得られます。
モーターのリード線をスタンドアーム受金具の穴に通し、コクピット部品を取り付けて、カウリングを胴体に接着します。
この飛行機は、タンデムの2人乗りですが、今回は適当なパイロットのストックが足りなかったので、1名にしました。アリイの「赤トンボ(1/48)」のパイロットをレジンで複製したものです。衣服はOD色で良いような気がしますが、あとは、飛行帽でよいのかヘルメットなのかなどすべて「?」でとてもあやふやな格好での搭乗となりました。コクピット内の塗装も同様です。(後学のため、ご存じの方がおられましたらご教示下さい)