■工作室(製作15)■  (1)エンジン部・主翼の工作

ビーチクラフト C-45
輸送機
PM Model 1/72


C−45は、C−46、C−47とともに作ってみたいモデルです。C−47は様々なスケールのキットをよく目にしますし、この「フライト・ポジション」のHPでも1/200(ハセガワ)を掲載しています。C−46は、探せばあるのでしょうが、昨今目についたところでは、1/144の高価なものが1種類だけで、これはゆとりがあるときにということにしておあずけです。で、今回は偶然見つけたC−45のアメリカ海軍タイプです。「PM Model」(トルコ製と記載あり)という外国の製品で、このほかに派手な塗装の海上自衛隊タイプ、練習機タイプの「AT-11 KANSAN」 も手入できました。

全体として、シャープで良い感じなのですが、特に胴体のパーツが薄く、左右の接合時に、組み立ての「うで」がよろしくないせいもあって、ひどい段違いが出て整形に苦労しました。また、カウリング部が、ゆがんでいたり排気管も付いていないなど、他の部分の出来と不釣り合いにおかしいものです。キットの由来はわかりませんが、基のものが別にあってあとで手を入れられたのかとも思われます。

●エンジン部の工作●

■エンジン部の構成
エンジン部の構成は、円盤状のエンジンパーツにプロペラ軸を挿入して、裏側からリング状のストッパーで固定するというシンプルなもので、プロペラは空転します。モーター搭載のスペースは充分ありますが、もともと小馬力のエンジンを使った機体で、プロペラも小型の2翅なので、4ミリΦのモーターを使用することにしました。

■プロペラ軸の交換
プロペラ軸は、スピナーなしの小さいプロペラなので、ジョイントの出る穴をできるだけ小さくしようと、0.8ミリΦの真鍮パイプ(アルミパイプがないため)を使用しましたが、結果的にはそう変わりはなく、1ミリΦのアルミパイプのほうが工作は楽だったとように思います。取り付けは、例によってエポキシパテによるものです。真鍮パイプは、アルミパイプのように取付け後に切断することが容易ではないので、先に所定の長さ(プロペラ側:約2ミリ+ジョイント側:約3ミリ=約5ミリ)にしておく必要があります。取付け状態の調節は、軸長が実際に使用する状態になっていて短いので、現物のモーターとプロペラ・ジョイントを使って行ないました。
【詳細は「プロペラ軸の交換の仕方」を参照】

■モーターマウントの取付け
ダミーモーターにパイプを被せ、粘土でエンジンの裏側に垂直になるように仮止めし、エポキシ接着剤で固定しました。仮止めの部分もあるため、二回に分けてのエポキシ接着剤の流しです。エンジンの周囲に、粘土で1〜2ミリ幅ぐらいの土手をつくり、エポキシを流し込んだほうがきちんと充填できたと思います。写真では土手なしでの状態です。パイプの接着箇所の前処理(脱脂など)が悪く、エポキシの硬化後すっぽ抜けたので、瞬間接着剤で固定しました。なお、プロペラ・ジョイントの出る穴は、2.8oΦとしましたが、ジョイントがわずかに偏心して接触があり、最終的に3ミリΦの穴に拡大しました。
搭載するモーターの尾部1/3ぐらいがパイプから露出するように、パイプの長さを調節します。
主翼下面部品の主車輪格納部も、モーターに合わせて削り取ります(モーターの取り付けをエンジンパーツを主翼下面に接着してから行う場合、若干余分に削除しておかないとパイプへモーターを挿入しにくくなります)。後のモーター搭載の作業で、
上写真の削除マーキング位置より更に後ろへ3ミリほど余分に削除する必要がありました。

●主翼の工作●
■主脚格納部の工作
本機は、C-47などと同様に、主脚格納時にタイヤの一部が外部に露出するタイプですから、飛行状態にするためのパーツとして、主脚格納部扉と共にタイヤも使います。主脚格納部扉を「閉」の状態に取り付けますが、このパーツは余計な加工なしにぴたりと納まりました。
それらしい具合で露出するようにタイヤの一部を切り取ります。主脚格納部扉は、まず片側を接着し、硬化後もう一方の扉を接着します。左右扉の中央部に補強として、プラ板の小片を(写真では、キットのパーツ番号が印してある平らな部分を切り取ったものを使用)貼り付けています。車輪取付け箇所を機体内部色で塗装していますが、無駄な作業でした。最初は、塗装後マスキングをしておくつもりでしたが、車輪を入れてみると内部はほとんど見えないため、マスキングはやめて、機体と同じ塗装でごまかすことにしました。

■エンジンバーツとモーターの取付け
まず主翼上下のパーツを仮組みして、中央部にモーターのリード線の出る穴(2o径ぐらい)を開けておきます。その後、モーターマウントが取り付けてあるエンジンパーツを塗装し、主翼下面側に接着します。
エンジンパーツの取り付け後、所定の長さのプロペラ・ジョイントを取り付けたモーターを挿入し、エポキシパテを盛りつけて、プロペラの位置、回転状態などを調節して固定します(このとき、プロペラの回転方向とリード線の色と(+)(−)の関係も確認しておきます)も。ジョイントがエンジンのプロペラ穴に触れるようなら、いったんモーターを取り外し、穴を拡大します。また、工作途中で゙、モーターのリード線の断線(主にハンダ付け部から外れる)を防止するため、主翼下面にリード線を(テープで仮止めしてから)エポキシ接着剤で固定しています。