■工作室(製作3)■  (4) 完成まで

■主翼と前翼の取付け
モーターの組込みが終わったら、カウリングの接着部を整形して、主翼と前翼を取付けます。主翼の上反角を調整しながら、接着剤の硬化を待ちます。

写真では、ストックしてあったレジン複製品のパイロットが搭乗しています。(ちょっと小さすぎるようですが……)

■キャノピーのマスキング
機体の下地が完成したら、キャノピーをマスキングしてから塗装を行います。キャノピーのマスキングは、細切りにしたマスキングテープを窓枠に沿って貼り付け、最後に空いている部分を埋める、という方法が自分には合っているようで、いつもこの方法をとっています。
【あるベテランのHPで、マスキングゾルを使用する方法(キャノピー全体にマスキングゾルを塗布し、安全カミソリを折った鋭角な刃先で窓枠に沿って切り抜く)が紹介されているのを拝見して、何度か試してみましたが、ナイフワークが稚拙なためうまくできませんでした。合理的な方法だと思うので、自身のある方は試してみて下さい。】
●キャノピーを胴体に当ててみると、後部がどうも変形しているようで、少し上側にはみ出し、両脇がへこんで段差がつきます。上からはみ出し部に圧力をかけると左右もぴったりとなるので、0.4ミリ真鍮線をかませて整形しました。

■塗装の流れ
:離型剤と作業中の手脂の除去のため、ウエス(不要になった布片など)にシンナーを付けて全体をこするように拭き、その後ティッシュペーパーでていねいに空拭きします。
:主翼前縁付根にある敵味方識別標識のオレンジイエローを先に塗って、マスキングしておきます。
:下面の明灰白色を塗って、マスキングします。機首下面の波形塗り分けは、説明書の図面をモデル原寸に拡大コピーして、それに合わせてマスキングテープを切り抜きました。
:上面を暗緑色で塗ります。(キャノピーの窓枠部分は、最初に機体内部色を塗っておくというのがセオリーですが、1/72では「効果対労力」であまり意味がないようです。)
:デカールを貼って、よく乾燥したら、クリヤを塗りますが、これは好き好きですね。

■スタンド支柱の取付け
スタンド支柱の機体側取付け補助腕の固定ネジ穴のあたりをとって、1.5ミリΦのドリルで下穴を開けます。一度ねじで固定してみて、正面、真横、後ろからよく観察します。正しく取り付けられることを確認して、エポキシ接着剤を用いて、機体にスタンド支柱を固定します。

■スタンドベースへの取付け
スタンドベース側取付け補助腕の固定ネジ穴のあたりをとって、キリなどで下穴をあけます。
エポキシ接着剤を、スタンド支柱のベースに挿入される部分と、補助腕の固定ネジ穴に塗り、補助腕をネジ止めします。このネジ止めは、ラチェットL形ドライバーがあれば作業が楽です。モータのリード線を電池ボックスとスイッチに配線して、製作完了となります。

■完成した「震電」


●アクシデント●
スタンド支柱を機体に取付けた後、プロペラを取付け、モーター回転のテストをしてみたところ、うんともすんともいいません。プロペラを手で廻してみると、モーター軸になにかがねばりついているような抵抗感があり、とても回転することは不可能です。プロペラジョイントをはずして内部を見ても、プロペラ側には異常がないようで、切開手術をして調べなければならないと落胆しました。
ものは試しと、エンジンのイグニッションモーターよろしく、電動ルーターにプロペラジョイントをつけて、強制的にモーターを廻すこと10分、なんとか自力で廻るようになったので、電池をつなぎ1時間ほど空廻ししました。始動時にプロペラにちょっとショックを与えれば、あとはそこそこ自然に廻るので、まあ、めでたしめでたしと言うところです。
按ずるところ、モーターの後部軸受に、スタンド支柱取付けのエポシキ接着剤が付着してしまったのでしょうか……。今後注意が必要と感じました。