■工作室(製作 1)■ (1)主翼・胴体の組立−1

■零戦22型/スピットファイヤーMk-VIII■
ハセガワ 1/72

製作の第1回として、FP化工作を概観していただくために、空冷エンジンの零戦と水冷エンジンのスピットファイヤーの2種類を平行して製作してみました。とくに空冷エンジンタイプと液冷エンジンタイプのモデルでは、モーターの取付け方法が異なりますので、その違いを参考にしていただければと思います。

■主翼の組み立て
(写真はスピットファイヤー)
ランナーから切り取った部品は、バリなどをていねいに取り除き、仮り組みして、隙間などが出ないよう、調整し、きちんと合うことをを確認しておきます。
接着剤面が硬化するまで保持しておく、ピンチも用意しておきます。

☆スピットファイヤーの機銃は太めで、かなり強度がありそうですので、このまま生かすことにしました。
☆零戦の主脚は、引っ込み状態にするため、車輪はつかわず、車輪カバーだけを先に接着しておきます。ピトー管と機銃は、真鍮パイプなど金属で作り直します。


■主翼上下面の接着(1)
(写真はスピットファイヤー)
通常のプラスチックモデル用の接着剤を使用し、片翼ずつ接着していきます。
接合面に接着剤を手早く塗ります。塗布量は、多すぎず少なすぎずで、経験で覚えるしかないでしょうが、多少接着剤がはみ出しても、後の整形で修正することができますから気楽に行きましょう。(ただし、機銃部分など入り組んでいる個所は、少なめにしたほうが後の整形が楽です。)
片面の塗布方向を右回りとしたら、対する面も同じ方向とし(重ね合わせたとき、先に塗った面と後に塗った面が重なるように)、接着する面の接着剤塗布後の時間を均等にします。

■主翼上下面の接着(2)
(写真はスピットファイヤー)
ずれを確認し、ピンチで接着剤が硬化するまで固定します。
今回のスピットファイヤーのキットは、翼端が別部品なので、翼上下の接着剤が硬化してから、接着しました。接合部分の面積が小さいため、十分合わせに注意したつもりなのに、硬化後確認したら少しずれていました。途中での確認を怠っていたせいで、毎度のことながら、怠惰はモデラーに禁物だと反省するのでありました。

■完成した主翼
中央の白い部分は、スタンドに取り付けるための補強で、1ミリプラ板を2枚重ねて接着しています。胴体との結合の妨げにならない限り、なるべく広い面積をとったほうが、強度的に安心できます。(スタンド・アームの取付け部分は、「第42回 雷電」など、新しい回のものが合理的になっています。)

胴体左右の接着
(写真はスピットファイヤー)
組み立てたキャノピー内部を胴体片側に接着しておきます。
胴体左右も、主翼上下面と同じようにして接着剤を塗布し、左右部品が段違いにならないように注意して接合します。
接着剤が硬化するまで固定しますが、胴体の場合、写真ではピンチを使っていますが、輪ゴムかセロテープなどのほうがやりやすいでしょう。

■主車輪を引っ込み状態にする
上下部品の接着が終わった主翼に、車輪パーツを引っ込み状態で取りつける作業です。
零戦(写真右)は、車輪が全く露出しないので、車輪カバーの部品だけを主翼に接着し、引っ込み状態を再現します。このキットの場合、主翼下面部品の車輪収納部が素通しなので、上下面部品の接合の前に行っておいたほうが正確にできると思います。
スピットファイヤー(写真左)は、引っ込み状態で車輪が半分ほど露出しますから、車輪パーツを加工して使用しなければなりません。やや面倒ですが、完成すると見栄えがします。

■スピットファイヤーの車輪の処理
車輪が翼内にきちんとおさまるように、車輪と車輪引っ込み部を加工します。
(左が加工前、右が車輪と車輪引っ込み部を削って納めたところ)
車輪を薄くする作業は、ヤスリを固定して、車輪を指の腹で押しつけて前後し、均等に削っていきます(当然ですが、ハブのモールドが入っていない方を表面とするので、その反対側を削ります)。ここでは、主翼の車輪収納部もルーターで深くしていますが、車輪をもっと薄く削れば、こちらはキットのままでもよいでしょう。

車輪カバーの車輪にあたる面を出来るだけ薄く削ると同時に、車輪の車輪カバーのかぶさる位置を、ケガキ針か鉛筆等でしるして、ヤスリかカッターなどで少し削り、車輪とカバーが翼下面と同一面になるようにします。

車輪を塗装してから、車輪と車輪カバーを接着し、車輪部分にはマスキングしておきます。車輪カバーの付け根に隙間ができますが、ここはパテを充填してごまかします。