■工作室(製作24)■  (2)完成まで

■主脚の工作
主脚は金属をベースに作り替えました。0.8ミリΦの黄銅線の枠に「プラリペア」(発売元:武藤商事)を流し込んだものです。
0.8ミリ径の黄銅線をキットの脚柱に合わせて曲げ、胴体取付け側に、同じ黄銅線を浅いU字型に曲げたものをハンダ付けして主脚の骨組(枠)とし、同時に主輪の軸もハンダ付けしました(左)。テープの上に置いて「プラリペア」(エポキシ接着剤でもよさそう)を枠の間に流し込み、硬化後、ヤスリで枠の高さに合わせ、溶きパテを表面に塗布して、耐水ペーパーで仕上げています。(主翼の支柱も同様の方法で作り替えました。)

胴体の主脚取付け位置に穴をあけ、取付状態を調整した後、瞬間接着剤で接着し、エポキシパテで補強しています。写真では先に操縦席パーツを取り付けてしまったため、右側の主脚の取付けが多少やっかいでした。
●実機の主脚は板バネを脚柱としたシンプルなもので、地上では左右に広がっていますが、空中にあって負荷がかかっていない状態では多少内側に垂れ気味になります。

■主翼の取付け
側面風防ガラスの外側面にマスキングゾルを塗布して所定の位置に接着し、左右の胴体を接合します。
胴体の主翼取付け部(コクピット部上方)は、胴体主部に対してV字型に開くようになります。キットのままではこの開きが足りず、主翼の胴体取付け部と幅が合わないため、一気に主翼を取り付けることは難しそうです。そこで、まず片側を接着し、硬化後、強制的にもう一方を無理に広げるようにして接着する方法をとりました。

【塗装を前にした機体】
水平・垂直尾翼、主翼支柱、前面・背面の風防ガラスを取り付けて、それぞれの隙間をエポキシパテで修正しています。(特に風防ガラス部は隙間や段差が大きく、納得できるまでには整形しきれていないのが悲しいところです。)
尾輪は0.4ミリ径のピアノ線を通して補強しましたが、穴あけの際に、細い部分でちょん切れてしまい、瞬間接着剤を使ってつないだり、溶きパテなどで、外形を補修する必要がありました。
さすがに、主脚・主翼支柱とも金属に交換しているため、少々乱暴に扱ってもなんともありません。

■塗装について
本機は、自衛隊でいうところのOD色〔オリープドラブ=標準的に自衛隊の自動車など装備に使用している色〕)一色だったと記憶しています。最初、単純に同じ名前なので、グンゼのH78(オリーブドラブ(2))で塗ってみましたが、やはり感じが違うので、H60(濃緑色(2))を30%ほど加えて、「まあまあこんなんだった」と思ったところで塗装を続行しました(塗料が乾いてみると「?」という感じでしたが……)この混色の結果はH80(カーキグリーン)とほとんど同じ色でした。
付記:グンゼから特色で3色セットの自衛隊のタンクカラーが発売されています。その中にOD色(Mrカラーの2314)というのがあり(前記塗装の段階でこのタンクカラーのセットが頭にあったのですが、行方知れずで、塗装が終わってから出現しました)、この色が正しいものと思います。とは云え、街で見かける自衛隊のカーゴやキャリアー、ジープなど、経年変化もあるでしょうが、それぞれ異なる色相をしているので、あまり深く考える必要もなさそう……とくにワタクシの場合は……。
前述のように、使用したキットはアメリカ陸軍タイプのもので、付属のデカールは全く使用することが出来ないので自作となりました。白文字は「プリントゴッコ」を使用し、透明デカールにプリントしたもので、日の丸も同様に透明デカールに描いて貼り付けました。【白文字デカールの作り方】

 
完成したL-19  スタンドはチーク材オイルフィニッシュ
単3×2本、プッシュ・プッシュスイッチ

【製作後記】高翼機の風防は、とくに目立つところだけにキッチリ工作したいものですが、本機も、技術のつたなさにキットのガタなど加わり、ありうまくいきませんでした。とくに天窓は主翼外板と段差が目立つので、主翼側を少し薄く削ってからきちんとはめ込むべきでした。