■工作室(製作12)■  (3)塗装から完成まで

● 塗 装 ●
■下地の完成
いつものように手抜きの下地表面仕上げなので、グンゼの缶スプレー・下地剤(グレー)を全体に塗布して目止めをしました。

■塗色について
古いしかも外国のキットなので、説明書で指定の色が、使用しているグンゼの何番に該当するか見当がつかず『Modeler's Color』(注)を参考にして、上面 Extra dark sea grayはグンゼの H75(ダークシーグレー)、下面 Sky type SはH74(ダッグエッググリーン)を使用しました。
シンプルなキットを生かすため、翼端灯は銀色のうえにH90(クリアーレッド)、H93(クリアーブルー)、着陸灯は銀色を塗っただけにしましたが、赤・青・白の透明プラスチック(むかしはハブラシの柄を利用したものですが……)を埋め込んでも良かったかと思いました

注: 『Modeler's Color(モデラーズカラー)』川添史郎著、モデルアート社、昭和47年。
各国軍用機などのカラーガイドで、その色に関する説明に、数センチ角のコート紙?に実際の塗料を吹きつけて添付し、サンプルカラーとしています。当時の市販されていていない色については、その混色比率とその実際の色を見ることができるというもので、現在のように多種にわたる特色が発売されていないなか、頼もしい存在でした。
用紙に、混色した色をスプレー塗装し、一枚一枚手で貼り込むという、製作に手間のかかる本で、幅広く配本できるものではなかったためか、書店でも取り寄せしかなく、まどろこしく時間もかかるので飯田橋駅前にあった同社まで出掛けて購入した記憶があります。


■スピナーの取付け
プラスチック用接着剤による取り付けは外れやすいので、スピナー内側にエポキシ接着剤を流し込み、接着面積を多くして固定しましたが、完成後、片方のスピナーが偏心しているのがわかりました。やはりエポキシパテで、じっくり調整しながらのほうが正確にできるようです。

■デカールについて
入っていたデカールは、台紙は黄変しカバーのパラフィン紙がはがれにくい、表面がすすけたようになっているなど、年月を感じさせるもので、バラバラになりはしないか、表面のニスが黄変していないかと不安を覚えました。水に浸すと、台紙のマーク周囲の「のり」なのか、何か表面にコーティングされていたものなのか、湯の花状にぶよぶよとはがれだしてきて少しあわてましたが、マークそのものは表面のニスの透明度もしっかり維持され、何ら問題はありませんでした。
このデカールは、現在発売されているキットのものに比べて、かなり厚めな感じがしますが、キットの表面仕上げ(精密なリベット彫刻や筋彫りがないぶん、密着性はそれほど意識する必要がない)にマッチしたており、極めて強靱で貼りやすいものです。濡れているうちにこすってもびくともしませんでした。とはいえ、物理的な強度と化学的なものは違うもので、錯覚してついつい一度にクリアを厚く塗ってしまったら、すこしちりめん状のシワができてしまいました。

プロペラをセットして完成です。ロケット弾架は接着せず両面テープで貼りました。