■工作室(製作12)■  (1)エンジン部の工作

ボーファイター
MK-X
マッチボックス 1/72

ボーファイターのキットの手持ちはハセガワ1/72とタミヤ1/72があり、それぞれシャープで細かいところまで表現されていてすばらしいものですが、そのぶん苦労しそうで手をつけられずにいました。偶然入手したこのキットは、イギリスの「マッチボック」のもので胴体内側に1973年の刻印がある古いものです。 各パーツに厚みがあり、ぼってり感が強く、筋彫りなども用水路状で、(ハセガワ製などを作り慣れたモデラーには)一見幼稚なキットのように感じられますが、組み立ててみて、その完成したものをみて、精密・繊細の追求とは対蹠(たいせき)的なコンセプトに基づくものであることが感じられました。

  
胴体、主翼上面と主翼下面のそれぞれのプラスチック素材の色を変えられています(説明書によれば、「Three colour models」というシリーズものらしい)。車や建築物などではよくみますが、飛行機モデルでは珍しいタイプです。キットは、適度なデフォルメで部品点数が少なく、工作は楽そうです。

●エンジン部の工作●
■プロペラ取付け部の構造
プロペラからの軸をエンジンに挿入し、エンジン裏側からストッパーを接着して取り付けるという、ごく一般的な構造です。空冷エンジンでかなりラフなデティールですが、大きなスピナーが付いているので、組上がるとエンジンはほとんど見えなくなります。プロペラブレードが細身すぎるような気がしましたが、いつものようにこのまま使用しました。

■モーターマウントの取付け
 モーターはスペースがあるので、6mmΦを使用しました。エンジンの裏側の中央部が1段深くなっているのを利用して、エポキシ接着剤を流し込むようにしてモーターマウントのストローを固定しています。
ストローとエンジン部の離型剤や油分を除去しておきます。粘土で支持台を作り、エンジンを水平に乗せ、適当な長さ(ここでは7ミリ)に切ったストローにダミーモーターを挿入し、軸をエンジンのプロペラ軸穴から垂直に粘土に突き刺します。ストローの切断に際しては、切断面に傾きがあるなど多少不正確でも、ダミーモーターで調整できるのでかまいません。
エンジンとダミーモーターの直角を確認し、エポキシ接着剤を爪楊枝などで垂らすようにして充填します。接着剤が完全に硬化する前に、プロペラ軸とエンジンの角度を再度確認調節して完全硬化を待ちます。

■プロペラ軸の取付け
1.2ミリΦの軸を取り付けました。 少し前からプロペラ軸は基本的に植えなおすことにしていますが、特に本機のようにテーパー(軸の付根と先端の太さが異なる)が付いている軸では、必須の作業となります。
元のプロペラ軸を切断し、切り口を平らにし、まず0.8Φのドリルでセンターを狙って下穴を開けます。深さは、プロペラブレードの厚さ程度です。ハブのセンターを狙いつつ、1.2Φ、1.5Φと拡大していきます。上写真では若干センターがずれていますが、この程度は問題がありません。
しっかりエポキシパテを充填し、軸をセンターを狙って最深部まで挿入し、はみ出したパテを除去しつつ、中心にくるように調節します。モーターに付けて回転テストを行い、傾きを調節して硬化まで養生します。説明写真では、塗装前にプロペラ軸の長さを調節していますが、先に塗装したほうがやりやすいようです。切断は適当な長さの(4ミリ弱ぐらい)位置に目印を付け、カッターの刃で転がすようにして切ります。
モーターをエンジンに挿入してみて、ジョイントとエンジンのプロペラ取付け孔とのギャップが0.5ミリ以上になるように、ドリルで拡大します。モーターに電源をつないでみて、スムーズに回るように穴の拡大やジョインの曲がりを調節します。OKになったら、エンジンに塗装して、モーターを接着剤(瞬間・エポキシ・ゴム系など使い易いもの)で固定します。
エンジンは、組上がるとほとんど見えなくなるので、黒鉄色などで塗っただけでも良かったのですが、お遊びでバルブのアームもどきを伸ばしランナーで付けてみました。